退職代行を利用する

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること

皆さんは「退職代行」サービスをご存じですか?近年の慢性的な人手不足により、あらゆる業界でブラック企業が増えてきた結果、辞めたくても辞めたいと言えずに悩んでいる人のためにできた新しいサービスです。つまり、会社を辞めたい人に代わって、辞めたい旨を勤務先に伝えてくれる、辞めたいことを言い出せない方にとっては非常にありがたいサービスになります。

その一方で、退職代行は「退職代行を利用したら、違法になるんじゃないの?」とか、「退職代行って“非弁行為”に当たるんじゃないの?」など、新しいサービス故にさまざまな噂が飛び交っているのも事実です。

ではそれらの噂は本当なのでしょうか?そもそも「非弁行為」とはいったい何なのでしょうか?こちらでは、そのような「退職代行に関する違法行為の噂」や「退職代行が非弁行為にあたるのかどうか?」など、退職代行に関するあらゆることを検証していきます。

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること①
有給休暇の消化交渉

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Photo by Andrew Neel on Unsplash

今さらではありますが、まずは「有休」について。有休とは、たとえ会社を休んでも有休の申請を会社にしておけば、勤務したとして休んだ日の分の報酬が得られる制度になります。働いた経験のある方ならば、多かれ少なれ、利用したことのある制度だと言えるでしょう。特に小さいお子さんを持つ働くママにとっては、非常にありがたい制度になります。

おそらく多忙な企業に勤めている場合、休みづらいこともあり、有給はかなり残っていると思います。筆者も以前お世話になった会社で、残っていた有休は2か月分でした。余談ではありますが、2か月分も残っていたので、退職後、雇用保険を貰うまでの間の“つなぎ”として非常に助かったことを記憶しています。

話を戻して、退職するときに有休がかなり残っていると「うわぁこの有休、いったいどうなるんだろう…」と不安を感じますよね?ただ、その退職者の方がちゃんと有休の消化について勤務先に交渉できるタイプであったり、企業側に退職者の有休消化の実績があれば、有休消化の交渉はスムーズに進むと思います。

しかし実際のところ、退職者はとにかく辞めたい一心で有休の消化交渉をしなかったり、企業側に退職者の有休消化の実績がなく、残った有休自体を「なかったことに」してしまう会社も実際にあるようです。ただ、もし退職後残る有休について、退職予定者本人の口から「消化をさせてほしい旨」を伝えることができないけれども、どうしても「有休消化をさせて欲しい」と思った場合、どうすればいいのでしょうか?

繰り返しにはなりますが、退職代行業者ができるのは「退職したい旨を伝えること」までになります。そこで登場するのが弁護士です。弁護士なら「退職予定者が有休消化をさせてほしいそうなのですが…」と交渉することができます。

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること②

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Photo by Hunters Race on Unsplash

最近よくテレビなどのメディアで取り上げられているのが、この「有休の買取」ですが、皆さんは有休の買取制度についてご存じですか?その前に、皆さんは有休はよく利用されていますか?ニュースなどでもよく報じられていますが、日本は有休の消化率が諸外国に比べ非常に低い国です。

そんな中ここ数年、安倍政権が肝いり政策として推進してきた「働き方改革」の一環として、有給の取得率向上が掲げられていました。そして、2019年4月1日から、年10日の有給を得ている労働者に対して、会社は5日は有給休暇を取得させることが労働基準法(以下、“労基法”と略します)上の義務となったのです。よって、2019度より上記対象者は、最低でも5日間は有休を使えますし、使わなければならなくなりましたので、くれぐれもご注意ください。

話題を元に戻しますが、2019度より消化するのが義務となった有休は買取ができます。ただ、どんな場合でも企業に有休を買い取って貰えるわけではありません。しかし、この「退職者の退職後に残る有休」に関しては、買い取って貰うことが可能です。ただし気を付けていただきたいのが、「企業が必ずしも有休を買い取らなければならない訳ではない」ということ。

つまり、あくまで会社側の任意の行為であり、法的に強制的に買い取らせることはできません。そして企業に対し、「退職後に残る依頼主の有休を買い取って欲しい」という交渉を退職代行業者が行うことはできません。

余談ですが、「じゃあ、会社側としては、退職者から有休の買取をさせられるのって、その分費用がかかるわけだから損なんじゃない?」という考えが浮かぶかもしれません。しかし、有給を買い取る企業にもちゃんとメリットはあります!

それは、当然のことながら、有休消化中は在職扱いとなるため、その期間、会社は社会保険料の負担を継続しなければなりません。ところが、有休を買い取ってその分退職を早めることができれば、確かに給与相当額の金額の支払いはしなければなりませんが、買い取った分だけの社会保険料の負担を軽減することができます。ですから、企業にとっても絶対に損ではない話なのです。

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること③ハラスメントの慰謝料請求

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Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash

おそらく有休の次に退職予定者の中のモヤモヤ感として存在していると考えられるのが、こちらの「ハラスメント」の慰謝料請求でしょう。ハラスメントと一言で言っても、その内容はさまざまで「パワーハラスメント(以下、“パワハラ”と略します)」「セクシャルハラスメント(以下、“セクハラ”と略します)」「モラルハラスメント(以下、“モラハラ”と略します)」など、多岐にわたります。

ちなみに「パワハラ」と「セクハラ」はそれこそ小学校の高学年でも概要が分かっているほど、一般語として定着していますが、「モラハラ」という言葉は他の言葉に比べればまだなじみが浅いので、念のためにご説明させていただきます。勤務先における「モラハラ」とは、「職場で精神的苦痛を与えることを目的とした行為」のことを指します。簡単に言えば、「職場での力関係のない同僚などによるいやがらせやいじめの行為」のことです。

そしてこれらのハラスメントに対し、会社には対策を取る義務があります。それが「職場環境配慮義務」になります。つまり会社には、従業員が安心して働ける環境をつくる義務がある、というわけなのです。もし退職予定者が「ハラスメントにより退職するわけだから、何も対策をとらなかった会社は慰謝料を支払うべきだ」と感じた場合は、慰謝料を請求することが可能になります。こちらの行為も、退職代行業者は対応することができませんが、弁護士は依頼主の勤務先との交渉可能です。

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること④損害賠償請求されたときの対応

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Photo by Tingey Injury Law Firm on Unsplash

例えば、勤務先で受けたパワハラが原因で、出社しようと思っても、気持ちと体の動きがちぐはぐになってしまい、家から出られなくなったとします。その際、会社に連絡を入れればたとえ上司との間に禍根は残っても、最低限、対処すべきことはしているので問題はないでしょう。しかし、会社に電話を入れようとしても、携帯を持つ手が震え、とても話ができるような精神状態ではない症状がずっと続いたとします。

それから数か月後、会社を辞める方向で話が進み始めたけれども、勤務先から「今まで無断欠勤した分は、損害賠償として請求をさせて貰う」ともし言われた場合、あなたならどう思いますか?おそらく大抵の方の場合は、なるべく支払わない方向に話を進めたいと思うことでしょう。しかし、会社には労務があり、向こうは労働に関するプロでこちらは労基法の基本すら知らない労働の素人…。

「こんなときいったいどうすればいいの!?」とほとんどの方の場合、パニック状態になるのではないでしょうか。そこで登場するのが、こちらも今まで同様、退職代行業者ではなく弁護士になります。ところで、上記はあくまでも事例ではありますが、こちらの話のように無断欠勤は絶対にしないでください。そしてこんな事態になる前に、退職代行業者に相談して退職に向けて早急に動きましょう。

退職代行 弁護士以外が交渉する違法行為になること⑤退職届などの書類の代理作成

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Photo by Dan Counsell on Unsplash

おそらく大抵の方は、入社するときにさまざまな書類を貰い記入されたかと思いますが、退職時もいろいろな書類を貰い、記入や提出を余儀なくされます。まず、退職予定者が勤務先に渡すのは「健康保険被保険者証」と「退職届(自己都合退職をする場合)」でしょう。健康保険証なら渡すだけだから問題ないとして、面倒なのが退職届の作成になります。

退職願の提出は基本、その後の退職予定者の人生を変えかねない非常に重要なことなので、退職予定者本人が自分で行なわなければなりません。ただ思い出していただきたいのが、会社の契約書に退職時には退職届を提出すべき旨が書かれている場合を除けば、本来ならば、口頭で本人が退職の旨を会社側に伝えれば退職ができます。つまり、退職届は絶対に書かなくてはならないものではありません。ただ繰り返しにはなりますが、会社の規定で退職時には退職届を書くことが義務付けられている場合は、その規定に従って退職届を書いてください。

しかも提出書類はこれだけではありません。提出先は変わりますが、市区町村役場や税務署に「退職所得の源泉徴収票」「給与所得の源泉徴収票」「退職所得受給に関する申告書」「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を提出したり、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」「雇用保険被保険者離職証明書」「任意継続被保険者資格取得申請書」を提出したり、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出したりしなければなりません。百歩譲っておそらく、ハローワークや税務署、市区町村役場などへは、気晴らし感覚で足を運ぶことができるでしょう。

しかし、勤務先に行くのはきっと足取りが非常に重いことになると思います。しかも、勤務先からは「退職金の源泉徴収票」「給与所得の源泉徴収票」「雇用保険被保険者証」「健康保険被保険者資格喪失証明書」「厚生年金基金加入員証(厚生年金基金に加入していた方のみ)」「離職票(転職先が決まっている場合は不要)」を受け取らなければならず、これらの書類はすべて、これからの人生に必ず必要となるものばかりです。以上より、どんなに気が進まなくても、勤務先に足運ぶ必要があります。

ただこれらの退職時に必要な書類の作成や対応なども、退職代行業者には対応はできませんが、弁護士なら、法的に正当な代理権限を有するので、退職届の書類の代理作成等の交渉権限があります。ですから、弁護士の主張が法的に正当と認められるのではあれば、それらの一連の行為対応も可能というわけなのです。

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